2020年11月21日 意見交換会・議事録

1.根本代表世話人による憲法ミニ講義

 人権は侵害に対する救済があってこそのもの。では生存権は?

 朝日訴訟、老齢加算廃止訴訟の紹介。健康で文化的な最低限度の生活の内容を決めるのは厚労大臣。

 裁量権の逸脱・濫用があれば違法、との判断。いずれも合憲。

 判例は「人権ではない」とまでは言わないが、政治の裁量を広範に認めている。

 生存権は人権なのに生活保護は恥という風潮。

 R2.6.25 生活保護に関する名古屋地裁判決「(請求棄却は)国民感情を踏まえたもの」などと言及。

 

 

 

                    根本先生のレジュメはこちら→

ダウンロード
生存権は人権か.pdf
PDFファイル 217.8 KB

2.自己紹介

3.情勢分析

・管首相は安倍政権を引き継ぎ、敵基地攻撃能力の保持を強行しようとしている。

 これに対してどのように向き合うかを検討する必要がある。

・世論調査で「9条が戦争阻止に役立っている」との回答が多数。しかし、現実は安保法に基づく米軍防護の常態化、

 海自中東派遣(調査・研究)の1年延長、日豪訓練協定準備等、9条を骨抜きにする動きが着々と進んでいる。

・核兵器禁止条約発効で核兵器の保有自体が違法となった。日本は不参加。

・教科書問題。育鵬社教科書が激減したが、東京書籍も問題あり。“一発ドボン検定”制度にも問題がある。

 

4.意見交換

・志太・憲法を大切にしよう会 Iさん

 11月1日に雑誌「世界」を資料に敵基地攻撃能力の問題に関する勉強会をやった。

 沖縄近海の諸島にミサイル基地がつくられている。今、静岡市役所市民ギャラリー(1階ロビー)にて写真展をやっている。

 9条を現実が飛び越してしまっている。しかし、静岡から沖縄は遠いので関心が高まらない。

 

・末広9条の会 Iさん

 マスコミにもっと頑張ってもらわなければならない。岩波ブックレット「敵基地攻撃論批判」紹介。

 

・菊川9条の会 Yさん

 自衛隊の基地がジプチにあるが、ジプチでは日米地位協定の逆(日本が優遇される内容)が締結されている。

 日本がアメリカと同じことをジブチにやっていることはおかしくないか。このことの報道がないことも問題。

 

・志太・憲法を大切にしよう会 Iさん

 今週の週刊金曜日に半田滋が書いている。中国を挑発する軍事訓練が行われている。

 米軍の先兵として使われることが最も怖い。最前線に自衛隊が送られている。

 

・清水9条の会 Iさん

 敵基地攻撃能力を持つということは戦争への道を進むということ。憲法に違反していることは明らか。

 また、学術会議問題について、思想信条で首を切ったとしか思えないが政府は認めない。世論を作る必要がある。

 

・竜爪山9条の会 Mさん

 本日、日本平和大会があった。基地問題が扱われた。基調報告では安田菜津紀、中野晃一、小沢隆一の各氏が発言した。

 

・菊川9条の会 Mさん

 菊川では憲法カフェを2回やった。

 1回目は「コロナと私たちの暮らし」を取り上げた。50人集まった。50~70代が中心。

 2回目は「コロナと経済」を取り上げ、50人弱集まった。憲法という言葉を出さずに集客する工夫をした。

 

 コロナで貧困が進んでいるが、その実態が表に出てこない。生活支援金は国債だから子や孫への借金。

 それよりももっと生活保護を利用すべきではないか。捕捉率2割程度。

 戦車1台分(10億円)で老人ホーム1棟できる。大砲1発で60万円。

 コロナをテーマにすると平和問題と絡めやすい。

 

 失業したら自衛隊へ、という流れが一番怖い。生存権が権利だということをしっかり認識すべき。

 

・磐田9条の会 Aさん

 磐田では伊藤千尋氏をお招きし、講演会を予定している。同氏はコスタリカの政治情勢に精通している。

 

・末広9条の会 Iさん

 コスタリカはニカラグアから戦争で逃げてきた人を受け入れている。

 一度に受け入れきれないので学校が3部制になっている。学生には食事を必ず出す。司法が素晴らしい。

 8歳以上の子は訴える権利がある。警察官より教員の方が多い。

 

・菊川9条の会 Yさん

 静岡でも高校で三権分立制度を導入しているところがあり、司法がある。

 沼津市立高校?素晴らしい取り組みを行っている。

 

 

5.当会主催のポスター意見広告について

 出された意見は以下のとおりである。

 

 ・否定するわけではないが、ポスターという媒体に効果はあるのか。SNSの方が効果的ではないか。

  ホームページの伝達能力が落ちている。

 

 ・ポスターを張ってくれるところも少ないし、費用対効果も薄いのではないか。

 

 ・意見広告運動をやってきた。ポスター運動の話は聞いていない。

  原案は意見広告を辞めたいということだったが、異論が出て別の取り組みという形になったようだ。

  意見広告は継続すべきだ、というのが沼津の意見。

  いろいろなことに取り組みことはとてもいいことだと思う。反対ではない。

 

 ・意見広告の県中部事務局をやっている。両方やっていく方向で考えている。

 

 ・高知に旅行に行ったときに、田舎に行ってもポスターがあった。

  SNSを使わない層もいるので、当会の名前を使うというのは認めていいのでは。

 

 ・お金の請求がないことが前提。

 

西ヶ谷 意見交換会では承認という結論、世話人からの異論がなければ承認ということで進めることを確認。

 

6.次回予定

日 時:2021年2月20日 午後1時30分~

場 所:静岡県弁護士会館

 

冒頭のミニ講義は、コスタリカの政治情勢(末広9条の会・Iさん)